【感想】【考察】B: The Beginning で改めて感じた”詰めの大切さ”と、Netflixアニメの可能性
―前略
こんにちは。はじめまして。
いやし、と申します。
今回は、「B: The Beginning」というアニメを観終えたので、
その感想を通して、Netflixアニメがどういった路線になりそうかを考察していきます。
もしも、あなたが、
- Netflixのみに興味がある。
- まだ観ていない。ネタバレしてほしくない。
という場合は、
- Netflixアニメの精度の高さ
から読むのがオススメです。
また、1話の感想はネタバレなしで書いたので、
興味のあるかたは、このリンクから飛んで読んでみてください。
- [B: The Begining] 6話について
- [B: The Begining] 子供化
- [B: The Begining] この作品で描きたかったものとは
- [Netflix] Netflixアニメの精度の高さ
- [Netflix] 全12話ということ
- [Netflix] Netflixの契約方法
[B: The Begining] 6話について
なぜ全体の感想を書くのに、”6話”をはじめに取り上げるのか。
それは、私はこの6話が、
このアニメを楽しめるひと、楽しめないひとを分ける回だと思ったからです。
□あらすじ
まず、簡単に、あらすじを追っていきましょう。
”黒羽は病院の屋上でキースを問い詰めるが、2人は次の日に改めて寺院で会うことに。
その一方で、キースは殺人の容疑者として警察に手配されてしまう。”
(Netflixから抜粋)
屋上で、やっと出会った黒羽とキース。
キースはすでに黒羽(=Killer B)の正体に気がついていた。
Bではなく、ギリシャ文字の13と4。
4はユナの番号を表す。
”見せなきゃいけないもんがある。”
そう言って、明日10時に、平安寺で改めて落ち合うことに。
RISも、キース逮捕に動きはじめる。
そんななか、黒羽を捕らえるため、ユナが動く。
キースと黒羽が合流。
そこでキースは、黒羽の過去に関係する、”ファウラ・ブランカ王立科学研究所”について語りだす。
さまざまな重大な事実が語られる。
そんななか、仮面の女(ユナ)がふたりに攻撃を仕掛けてくる。
黒羽の反撃により、仮面の女(ユナ)は倒される。
黒羽はいま戦っている相手がユナだと気がついた。
だがユナは、黒羽への攻撃をやめない。
黒羽の記憶を操作する能力で、ユナは黒羽といた頃の記憶を思い出す。
だが、思い出したのもつかの間、
その隙をみて、ミナツキが黒羽とユナを突き刺す。
そして次回へつづく。
というのが、6話のあらすじです。
□急に飛躍したストーリー
ここからは、自分が感じた違和感を書いていきます。
6話でキースが語ったこのシーン、
実は、これだけの重要な事実が語られています。
- 神として崇められた翼をもつ人骨が黒羽たちの祖
- 巨額の資金に堕落する研究者により狂人がつくられる
- 国内外の恐怖と平穏のバランスを意図的に操作する組織”Market Maker””
- そこで作られた成功への道を示す子が黒羽とルナ
- 黒羽の育てた男はキースの父親
- ジェットブラックを解読したのは12歳のキース など
これだけで1本映画がつくれそうなくらいの情報量です。
それを、「あ、全部ここで説明しちゃうんだ?」って思いましたね。
これって、ストーリーのなかでも、かなりキモなところですよね。
それを、回想で全部説明してしまうという。。
ストーリーで解き明かしていくのが面白いんでしょう。。
この6話で、謎が一瞬で解明してしまい、
いままでの伏線がチャラになってしまいました。
(Killer BのBが”13”である、というトリックはシンプルに意表を突いてよかったですよ。
どんだけ時計トリック好きやねん、とは思いましたが。)
あとこれって、かなり現実離れしてると思うんですよね。
敵が全員、人造人間でした。みたいな。
物語の本筋であるのに、そこにリアリティへの配慮がなかったことは、
かなりマイナスポイントが高かったです。
6話を見るまでは、
黒羽くんだけが特別な存在であり、それをどう現実に溶け込ますのかと思っていました。
6話からは完全に別のストーリーがはじまったと思いました。
□降りてきたミナツキ
ミナツキ自身が手を下すため、黒羽とユナを串刺しにします。
このシーン、ドラマチックに描かれていましたが、
個人的には「?」でした。
子分を連れてきてるのだから、
リスクを取る必要はないんじゃないのか、ということが気になって。
ミナツキは黒羽を殺しに来たのではなく、捕らえに来たんですよね?
”殺すなら自分の手で!” というのなら分かりますが、確実に捕らえるなら、
ユナごと、釣り糸千本桜で刺して、揚げたほうがよかったのでは?と思ってしまうんですよね。
□強引な記憶の改ざん
ここも違和感がすごかったです。
ユナは自分の記憶を取り戻しますが、
それが「ユナ自身の記憶」なのか、「黒羽によって改ざんされた記憶」なのかが曖昧でした。
なので、
素直に「見つめ合うふたり」として観るべきか、
狂気を孕んだ「黒羽のエゴにより結ばれるふたり」として観るべきかわからず、
モヤモヤしたテンションのまま「ユナちゃんかわいい。」としか観れなかったんですよね。
ここのフォローは、そのあともなかったので、
ずっとモヤモヤしたテンションのままでした。
□6話のまとめ
これらが、私が6話で感じた違和感です。
これまでは、サスペンスと映像美があったので楽しめていたのですが、
ここから急に話が追えなくなりましたね。。
ただ演出は、純粋にすごくいいんですよ。
この、缶コーヒーが切れた瞬間に、
尺八から日本舞踏の戦闘BGMが流れだすの良かった!
(オオナズチとの戦いを思い出しましたよ。)
いいシーンはたくさんあったので、
細かいことを気にするひととしないひとで、
完全に意見が分かれてしまう回だったと思います。
[B: The Begining] 子供化
1~4話あたりまでは、かなり精巧なサスペンスものとして作られています。
それぞれのキャラクターに思想があり、役割があり。
ただ、6話以降はストーリーがどんどんちぐはぐになっていきます。
それを端的に表しているのが、「キャラの子供化」です。
ミナツキを筆頭に、どんどんキャラが崩壊していきます。
□ミナツキ
↓綿密な計画も実行できる知能犯っぽい。
↓あれ、なんかセリフがチープだぞ?
↓殴り始めた。。どうしたどうした。
↓完全にただの快楽殺人犯。
ストーリー的には、”実はミナツキではなく、身代わりのレジーだった”という理由はありました。
6話での謎な行動についても、それで理由づけはできているように思います。
ただ、それでも、視聴者としては、
受け止め方がわからず、ストーリーが雑になったという印象しか受けられませんでしたね。
□ギルバート
↓冷静なお医者さん。
↓圧倒的な頭脳(?)で警察などを丸め込み、自分の殺人衝動のために施設を構築・隠蔽。
↓ずっと「エリカ...」って言ってる。
↓二重人格者? 急に絶望したり冷静になったりする。
↓親友に殺人者の気持ちを分かってもらうために一連の事件を起こした(?)
”圧倒的な頭脳”の描写が少なく、結局、ミナツキ頼りの噛ませ犬のように感じました。
しかも、サスペンスドラマで、
私利私欲のために国家機関を利用するという設定はヤバいですね。
ただ、ギルバートの子供化については、
他のストーリーと噛み合っていなかった部分もあり、
大筋がしっかりしていれば、効果的な演出だったのかも、とも思えました。
□エリック
↑のふたりは「B: The Begining」のメインの悪役です。
綿密なトリックを暴いて追い込んでいれば面白みはあったかもしれませんが、
そういったわけでもなく、どんどん色んなキャラが感情的になっていっただけでした。
ただ、エリックについては、それが効果的に演出されていたと思います。
↓RISの部長。
↓犠牲者が出るような判断もできる、責任感も持ってくれる頼りがいのある上司。
↓リリィがキースの捜索に行くというが、部長権限で許可せず、
その捜査から外させる(実は自由に捜査させるため)。
↓監禁されても文句を言わないキースを目の前に、つい(かなり)感情的になる。
↓キースを慕っていた頃のエリックに戻り、判断をキースに委ねる。
エリックには、思わず感情的になる表現に、”どうしても協力したい”といったような、
キースへの尊敬が見えて、より親しみやすいキャラになったように思います。
この作品では、エリックが一番好きです。
□子供化のまとめ
後半に行くにつれて、セリフやサスペンスがチープになったのが、
子供化の印象に結びついてるんだと思います。
それが、アニメシーンに寄せた演出という風に捉えられもしますが、
個人的には、脚本が練り切れていないように思えました。
[B: The Begining] この作品で描きたかったものとは
私はこの作品の1話を見たとき、
「リアリティのなかにアニメ要素を食い込ませる」
これがこの作品のテーマだと思いました。
映像としては、
車の移動速度だったり、刃の食い込み方だったり。
ストーリーとしては、
不可解な殺人犯”Killer B”の真相を追い求めるサスペンス(=リアリティ)なかに
レジ―や黒羽の生まれ育ち、黒羽とユナの約束(=アニメ)をどう盛り込むか。
□映像として
映像としては、かなり成功してるんじゃないかと思います。
素晴らしい背景描写の数々、
無意識に顰めてしまう眉、
降り注ぐ釣り針刀、
表現として用いる字幕、
数式のポートレート、
身体が刀に変わる瞬間などなど。
ここでは語りきれないほど、
あらゆるところにリアルを追及した描写がありました。
あくまで特殊能力を”形態変化”と”記憶の操作”にとどめたことが、
アニメーションとの整合性も保つことが出来る、
ちょうどいいラインだったように思います。
あと個人的には、「電話したケータイ切ってすぐ投げ捨てる奴多すぎ」問題も、
ネタなのかわかんないですが、面白かったです。笑
□ストーリーとして
ストーリーはちぐはぐでした。
結局、サスペンスに持っていきたいのかアニメに持っていきたいのか、
黒幕は誰でどこに進んでいるのか、すべて曖昧でした。
最終回で、キースとギルバートのやりとりと、
黒羽とミナツキの戦いに何のつながりもなく、
まったく別のストーリーが展開されていたのも微妙でした。
本当ならかなりショッキングな、
キースがギルバートを殺してエンディングという流れも、
ギルバートが本当の黒幕なのかあやふやなまま話が進んだので、感情移入しにくかったです。
それに、頭いいなら腕を撃てよ、とも思ってしまいました。笑
自分が殺されないことが分かっているなら、方法はいくらでもあったはずです。
あと、最終話の黒羽の戦闘シーンの伏線回収が、
ポッと出のイザナミにもらった左足だけという。。
あのシーン、シリーズものの1シーンと割り切れば違和感も薄れますが、
それにしては壮大すぎる舞台(すべてのはじまり、ジェットブラックの碑前)ですよね。
ミナツキに選ばれなかったイザナミの嫉妬も、
もうすこし深堀りすれば面白くなったはずです。
□B: The Begining感想まとめ
映像は素晴らしかったですが、ストーリーがちぐはぐでした。
12話もあったのに、それぞれのストーリーが千切れて分散してしまっているがために、
3話くらいの迫力になってしまっていたように思います。
サスペンスに持っていくなら、
ギルバートがキースや黒羽の目の前でひとを殺し続ける展開へ持っていくとか、
アニメーションに持っていくなら、
街中のレジ―が虐殺をはじめる、とかあっただろうと思います。
黒羽の記憶を書き換える能力で、ギルバートを救う展開もあったかもしれません。
全体的に、伏線の回収が早すぎるのと、
どの筋で話を追っていけばいいのか分からないことが多かったですね。
また、ギルバートの死に様を観ていると、
ストーリーとしてのメインテーマに”殺人”が上がってきます。
シリアルキラーの演出については、かなり良かった印象を持ちました。
セリフ回しで好きなところが多かったので、
いいセリフを↓に載せておきますね。
テロリストの言葉 - 2話
"いいかい、僕を含めた全員がここで死ぬんだ、大惨事だよ。
事件は恐怖とともに永遠に残り、語り継がれる。
でもオマエら被害者の名前は塵のように風化して、忘却の彼方に消え去る。
つまり後世に語り継がれるのは加害者である僕の名前だけ。
ぼ・く・だ・け。
もうすぐ僕の名は情報という荒野を駆け巡り、永遠に語り継がれる。
見出しはこんな感じかなぁ...?”
ギルバート最期の言葉 - 12話
"おまえを殺そうとも考えた。だがやめた。短絡的だ。
たしかに、思考の停止と思われても仕方がない。
だから、試してやろうと思った。
キース・フリックはいかなる状況においても殺人を犯さないのか。思考に変化は起きないのか。
これは壮大な実験だ。
理解を超えたファンタジーが、リアリストに次々と襲い掛かる。
連鎖する災難は、キース・フリックの心と脳を蝕んでいく。
追い詰められたニューロンが騒ぎ始める。
そして、狂気に支配された心が、彼にささやく。
「引き金を、引け....」
その瞬間を誰よりもそばで視ていたい、目に焼き付けたい。
だから、俺を殺させる。
銃声が響き、頭蓋骨が撃ち抜かれ、脳波が停止するまでの4秒間。
それは、俺とお前だけが味わう、至高の時間だ...."
これを主軸にして、アニメ要素とうまく混ざれば、
かなり高評価だったんですけどねー、、おしいです。
個人的には、レジ―などのアニメ要素を抑え、
シーズン1は、黒羽の謎を解き明かすところまでで良かったんじゃないかと。
ミナツキに頭の切れる悪役の印象をちゃんと付けてから、
シリアルキラーへ堕ちる展開を描いてほしかったです。
”リアルな殺人衝動”が、この作品で伝えたかったことなんじゃないかと思っています。
[Netflix] Netflixアニメの精度の高さ
さて、ここからはNetflixアニメについて語っていきます。
□作画
まだまだ創設期なので、メンバーに力が入っているのもあってか、
作画のクオリティはハンパじゃないです。
ほかの「DEVILMAN crybaby」や「A.I.C.O. Incarnation」も、
毛色は違いますが、1~2話と観ていて、素晴らしい、新しいなと感じています。
(他の作品の感想・考察も、随時書いていきたいです。)
ただ、脚本など、単純な質や量で測れない部分は詰め切れないところもあるようで、
配信時期が固定されないとはいえ、ハズれない、という保障はなさそうです。
なので、私は、
”Netflix作品を見るときは脚本に注目したほうがいい”と思いました。
いまのところ、企画としてはほぼ全部面白いので、
脚本が吉田玲子さんなどであれば、もう勝ち確でしょう。
逆に、新進気鋭の脚本家の勢いのある作品などもアリですね。
□個性
それぞれ実験的にやっているので、
かなり個性的な印象を受けました。
それぞれ制作会社、監督の売りを全面に押し出している印象です。
表現規制やスポンサーによる縛りが少ない、かつ、
円盤売り上げや視聴率などの、曖昧な基準で評価されることがないため、
思い切りやれるところがあると思っています。
なので、クセは強く、好き嫌いはかなり分かれると思いますが、
逆にいえば、すごく好きだと思える作品に出会える可能性は高いと思います。
その一瞬だけ楽しむような作品ではなく、
何度も巻き戻し繰り返し観られる、見応えのある濃密な作品が生まれてくると思います。
[Netflix] 全12話ということ
正直、12話を見るのは体力が要ります。
また、全話一挙配信なので、普段から毎週アニメを見ているひとにとっては、
ハードルが高く感じてしまうかもしれません。
私は普段、Twitterで最新のアニメの各話の感想を書いたりするのですが、
Netflixのように一挙放送となると、各話ごとに感想を書くのが難しいです。
一斉に観るわけではないので、普段のように、ちょっとしたネタバレも書けません。
Netflixは、そういった実況ツイートや感想ツイートを行う層ではなく、
”一気見”層をメインターゲットにしていると思います。
私の友達でよくある、最新のアニメを観るのではなく、
全話終了してから、”人気だと言われてるもの”を選んで一気に観る。というスタイルです。
こういった層に視聴してもらおうと考えていると思います。
そう思った理由なのですが、
Netflixの機能として、”一気見”をサポートしている機能があることです。
ボタンひとつでOPを飛ばしたり、
エンディングのクレジットを飛ばし、次の話を見ることができるようになっています。
(この機能で次の話に進むと、動画のはじめの”Netflix”の広告も消えます。)
評価を求めるのも、各話ごとではなく、最終話が終わったあとだけです。
加えて、今回感想を書いた「B: The Begining」は、12話一挙公開です。
これらから、
Netflixは、”一気見”層をメインターゲットにしていると思います。
とはいえ、途中で観るのをやめたのを記憶して、あとで観るときに再開してくれる機能など、
ゆっくり観るひとにもやさしい機能はあります。
また、PCでも←→キーで10秒飛ばしなど、コマンドでの操作もできるので、
一般的な動画配信サービスよりは、かなり使い勝手がいいと思います。
こういった手軽に見やすい環境をつくってくれていて、
かつ高クオリティの作画、個性的な作品を持ってくるので、
ポプテピピックのように、”リアルタイム性を重視するアニメ”以外は、
Netflixなどのほうが、いいアニメが増えてくると思います。
個人的には、早く日常系アニメを
オリジナルでつくってほしいなと思っています。
[Netflix] Netflixの契約方法
Netflixの契約は、
いまなら1ヶ月無料で、低画質プランなら¥650/月です。
https://www.netflix.com/signup?locale=ja-JP
私は低画質プランで、43インチのテレビから視聴していますが、
全然キレイで、楽しんで観れます。
プラン変更、解約も複雑な手続きは必要ないようなので、
一度、契約してみるといいかもしれません。
ただし、以下の点には注意してください。
※無料期間中に解約し忘れると、無料期間終了後から自動的にお金が取られるようになります。
※契約をして、無料期間中に解約をしても1ヶ月はずっと無料で観られますが、
再度契約する際に1ヶ月無料は使えなくなります。
(2018/03/21時点)
まとめ
批判も含めて書きましたが、
全体として、私はNetflixアニメには期待しています。
ひとつ傑作が生まれれば、
それに続いてどんどん良い流れが生まれそうな予感がしています。
次は「A.I.C.O. Incarnation」も観てみようかな。
興味があるかたは、1ヶ月無料契約してみてください!おすすめです!
【ネタバレなし】【おすすめ】Netflixに加入して、B: The Begining1話に衝撃を受けた
―前略
こんにちは。はじめまして。
いやし、と申します。
今回は、この土日で観た「B: The Beginning」というアニメの
1話の素晴らしさについて語りたいと思います。
全体を通した感想・考察は、ネタバレを含めて書くので、
まず、この感想に興味を持ったかたは、6話まで観てみてください。
1話の衝撃
まず私は、何の知識もなく観始めました。
Netflixがオリジナルアニメに力を入れ始めている、という噂を聞きつけ、
ここ1週間前くらいに契約してみました。
何が有名かなどは、まったく知らない状態です。
「DEVILMAN crybaby」など、それぞれ1話だけ観てみて、
「ふーん」「ちょっと絵が合わないな..」などと思いながら適当に回していたんですが、
この作品には、グッと惹きつけられましたね。
□導入
まず、この序盤から緊迫した展開。開始3分もしないうちに首がなくなるという。笑
ここからOP、日常シーンへ移り、物語がはじまります。
□ OP
OP。歌詞ないんですよ。笑
そして短い。CMに移るときの曲くらい短い。
ただ、引き込まれるんですよね。作品のなかに。
ミステリアスだけど知的な、そういった雰囲気を醸し出す曲。
ムリダンガムに似た打音と女性のコーラスが織りなすオリエンタルなリズム。
この曲を聴くと、スッと、物語に集中できるようになりますね。
...また、これには理由があるんですよね。それは考察のほうで。
このまま話の流れに沿ってもいいですが、
ネタバレしない程度に、「すごいぞ、これは...」と思ったところをピックアップしますね。
□景色
この書き込みの量ですね。舞台が1話だけでもめっちゃ出てきます。
離れ島で構成されている国、という設定が、この舞台の多さを実現しています。
このあと、飛行船、禅寺、バイオリン工房まで、この書き込み量で出てきます。
ちなみに1話だけじゃなく、このクオリティは最終話まで続きます。すごい。
□ガジェット
近未来的に描いていますが、全部、いまでも実現可能な技術なんですよね。
「カイエン」という車種がセリフとして出てきますが、これで限りなく現代に近い時代であることを描写しています。
ここで、かなりリアルであることに忠実な作品だという印象を受けます。
□【閲覧注意】身体の切れる感触
グロテスクなシーンは多いです。
ただ、このグロテスクさにはリアリティがあります。
刃を入れるとき、その周りが食い込むところまで、忠実に再現されています。
□思考を字幕化する
この作品中では、こういった字幕がかなり出てきます。
海外のサスペンスドラマなどで利用される手法でしょう。
そういったアニメではなかった要素もふんだんに取り入れています。
そして、思考もかなり現実的なもので、自然な流れで結論を導きます。
ストーリーのなかにトリックも組み込まれており、
綿密に練られた脚本なんだな、という印象を受けました。
□コミカルなCG
ここは、実際に見てもらわないと伝わりきらないのですが、
車のスピードが異常に速いです。
銭形警部のパトカーかと思うくらい速いです。笑
でも、リアルなんですよね。
私はここが一番すごいところだと思いました。
□唯一のアニメ要素「鳥人間」
このリアルを追及した描写のなかに、突如現れる鳥人間。
かなり異質ですが、特殊な能力を使うわけではなく、
戦闘シーンの身のこなしは、風圧も考慮するなど、かなりリアルに描かれていました。
(あと戦闘シーンは全部かっこいい。)
この鳥人間君が、今後の物語のキーになります。
これらのことから、私は、
「リアリティのなかにアニメ要素を食い込ませる」
これが、このアニメのテーマだと感じました。
ここまでのリアリティをアニメで出せるのはすごいです。
さすがProduction I.G。
この記事を観て、もし興味を持ったなら、
いっかい、6話まで観てみてください。
そこまで観て、面白いと思えば、最後まで楽しめると思います。