ネオ・ヴェネツィアからの手紙

アニメ・漫画など、ネタバレ・考察を含んだ記事を書いていきます。実況・各話の感想はtwitterにて。

【ネタバレあり】ずっと一緒にいる理由 - リズと青い鳥

 
ー前略

新生活がはじまったひとは、
それからもう一ヶ月が過ぎようとしています。

このGWまで、早く感じましたか。
新しい一歩を踏み出せているでしょうか。

いやし、と申します。


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今回は、「リズと青い鳥」を観て、
”これは感想を書かねば。”と思ったので、

観終わってすぐ、記事の作成に取り掛かりました。



「親友との青春」というテーマは、いろいろな角度から、
さまざまな作品で描かれ続けていますが、

この作品も、その「親友との青春」を描いた代表的な作品と呼べる、
素晴らしい作品になっていました。



私なりの視点で、この作品をまとめてみようと思います。

※まだ観ていないひとは観た方がいいです。「響け!ユーフォニアム」を知らなくても観られると思います。
※ちなみに久美子はほとんど出てきません。独立した物語でした。
 


 





序盤

 
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みぞれと希美、ふたりの関係性は、
はじめから不安定なものでした。


高校一年生のときに一度部活を辞めた希美、
それを当時、みぞれは知らされていませんでした。


ただ、そういった過去も気にせず、
あたかも、お互いに”言葉をかわす必要のない関係” であるように思わせるシーンから、
この物語は始まりました。


序盤のシーンについて、おさらい程度にまとめていきます。


一緒に登校するみぞれと希美

 

最初のシーンは、無言で一緒に登校しているだけでしたが、

元気よく揺れる希美のポニーテール、
先に待っていたみぞれの立ち上がるはやさ、
その後を追うみぞれの姿勢や目線などにより、

映像だけで、あたかも、”信頼しあったふたり” であるかのように見せていました。


そして、その関係が、脆く、崩れやすいものであったということが、
物語が進むにつれ、徐々に明かされていきます。



※もしかすると、私がいま、
 ”言葉をかわす必要のない関係” や、
 ”信頼しあったふたり” と書いていることに、
 違和感を覚えるひともいるかもしれません。
 
 このシーンは観ている途中と終わったあとで、
 かなり印象が異なるシーンのひとつだと思います。



リズと青い鳥

 
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ストーリーの感想を進める前に、

みぞれと希美の関係を説明するうえで重要な、
リズと青い鳥” という楽曲について、簡単に振り返ります。


作中に登場する"リズと青い鳥" は吹奏楽曲で、

”ひとりぼっちだったリズの家に、一羽の青い鳥が人に変身して一緒に暮らすようになるが、リズがそのことに気がつき、青い鳥を手放す”

というストーリーを表現しています。


この楽曲が、北宇治高校のコンクールでの自由曲となり、
一番の見せどころである、第三楽章のフルートとオーボエのソロの掛け合いを、
希美と、みぞれが担当することになりました。


物語の描写から推測するに、楽曲としては、
オーボエ(=みぞれ)がリズを表現し、フルート(=希美)が青い鳥を表現していると考えられます。


そして、このソロパートに表現される、
"青い鳥を手放す" という行為が、
この楽曲、ひいてはこの物語のメインテーマに深く関係していました。



リズと青い鳥” には、絵本と小説があり、
希美は読んだことがありましたが、みぞれはなかったので、読み込むようになります。


そしてみぞれは、

”青い鳥を逃がしてあげたリズの気持ちがわからない、私ならずっと閉じ込める。”

と、リズの気持ちになれず、ソロパートの表現に苦しみます。



みぞれの憧れ


いつも希美と一緒にいたがるみぞれは、
後輩などと一緒に出かけてしまう希美に対して、孤独を感じながらも、

いろんなひとと仲良くし、中心人物となっている希美に対して、憧れを抱いていました。


それを示す描写として、

みぞれが後輩からのファミレスの誘いを断ったあと、
希美と一緒に帰ろうとしたら、希美が別の後輩とファミレスに寄って帰ってしまったシーンが
印象的でした。


みぞれの持っている憧れとして、
”希美と同じようにいろんなひとと仲良くできたら” という気持ちはあれど、

”希美とずっと一緒にいたい” という気持ちが勝っていたことにより、
同じように憧れを持ってくれている後輩をないがしろにしてしまっていました。


ひとりで練習を続けるみぞれの姿に、寂しい印象を受けます。







中盤

 
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序盤は、みぞれの憧れと孤独についての描写が多かったですが、

進路が決まっていなかったみぞれに
新山先生が自身の所属する音大への進学を提案してから、

ふたりの関係の危うさが、徐々に浮き彫りになっていきます。


希美の焦り

 

みぞれは、新山先生に音大への進学を提案されたあとに、
その入学パンフレットを、希美に見られます。


それを見て、希美は反射的に、
”私も音大に行こうと思っている” と言います。

それに同調するように、
”のぞみが行くなら、私も...” と、
みぞれも音大への進学を考えるようになります。



その音大の話が出てから、なぜか希美は、
執拗にみぞれと一緒に過ごそうとします。


希美のプールの誘いに対して、
みぞれが、”他のひとも誘っていい?” と言ったあと、

”えっ?” と希美が声を発した瞬間は、
劇場内に、緊張した空気が流れました。



希美は、みぞれのオーボエにセンスがあることに気がついていました。

でもまさか、先生が直接音大を薦めることがあるなんて、予想もできなかったでしょう。


”自分の知らないところへ、みぞれが行ってしまう。
いままで、自分のあとについてきていただけのみぞれが。”


そういった心情のなか、”他のひとも誘っていい?” と言われると、

もしかして避けられてるのか、
いままでと同じ関係でいたくないのか、
誘えるような他の友達ができたのか、など、

いろいろと勘ぐってしまい、
咄嗟にああいった声が出てしまうのも、納得してしまいます。



また、その焦りが、
足元の描写にも表れていました。


剣崎さん(みぞれの後輩)に廊下でみぞれのことを相談されたとき、
他の後輩を待たせていたからか、
つま先をトントンと鳴らす仕草をしていて、
”急いでいるが、それを悟られないようにする仕草” として印象づけていましたが、

それと同じ動作を、
廊下で新山先生に、音大に行くことを伝えるときにしていました。


この動作から、希美が、
”本当は、新山先生に報告などしたかったわけではない” ように取れます。


”みぞれが認められているのに、私が認められていない。”


新山先生のことを特別好きではないけれど、
みぞれへの対抗心から、新山先生に言い寄ったんだと考えられます。



ソロパートの演奏中に滝先生に指摘されていた、
”みぞれの音に耳を傾けていない” 演奏にも、希美の焦りが反映されています。



相性が悪い

 

みぞれは、高坂麗奈に直接、
”相性が悪い” と言われます。


麗奈がその場を離れても、みぞれは、

”そんなことない。”
と、髪を触りながら、自分に言い聞かせるようにつぶやきます。



高坂麗奈黄前久美子ペアが、
みぞれと希美との関係の対比として効果的に演出されていました。


彼女らの強気なソロパートの真似を、
みぞれは、廊下の窓越しに耳にしたあと、窓を閉めてしまいます。

不安定な希美との関係を思うと、うるさかったのでしょう。



また、希美は、自分から執拗に誘っているにも関わらず、
みぞれから手を振っても無視したり、

みぞれに、中学のときに流行った”大好きのハグ” を求められたとき、
希美が”また今度ね。” といい、それを拒否したりします。



お互いに、求める関係は同じはずなのに、どこかすれ違ってしまう。



みぞれは、自分のソロパートがうまくいかない理由を問われると、
”リズが青い鳥を放ってしまう気持ちが分からないから。” だといい、

希美が夏紀に相談していたときは、
”青い鳥も、ときどきリズのもとに帰ればいいのに。”
”それなら、ハッピーエンドだよね。”
と、青い鳥として、放たれることにマイナスの感情を抱いていませんでした。


希美から、その心情を伝えるだけでも、みぞれには救いだったでしょう。



希美のほうが演奏が上手ければ、気軽に相談に乗ることができ、
すれ違うことはなかったと思います。



普段の関係性と、演奏力のギャップが、
ふたりの関係に、さらに、亀裂を加えます。







終盤

 
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気持ちに整理がつき、
みぞれは圧巻のソロを演奏し切ります。

その演奏に感動する部員たち。

この演奏から、ふたりの気持ちが変わっていきます。


新山先生からのアドバイス

 

ずっとリズの気持ちになれないみぞれに対して、
新山先生は、”青い鳥の気持ちになってみたら?” と問いかけます。


”青い鳥は、リズのことを好きで、
好きな人に言われたのだから、飛ぶことだけが愛。
青い鳥は、飛ぶことしかできない。”


みぞれはそう考え、送り出される青い鳥が、
悲しみだけを持っているわけではないことに気が付きます。


決意のソロパート

 

全体練習のはじめに、
みぞれから、”ソロパートの第三楽章の練習から始めたい” と進言します。


ソロを感情的に演奏するみぞれの姿が、
言葉ではなく、演奏、仕草、そして映像として、流れ込んできます。


”みぞれの本来の姿” と呼ぶにふさわしいシーン。


全体練習の終了後に、みぞれのもとに駆け寄る麗奈や久美子の気持ちが、
映像を観た観客にも伝わるようなシーンでした。


部員にとっても、みぞれのスランプは身近に感じられたものでしょう。


単に演奏が素晴らしかっただけではく、
苦境を乗り越え、調子を取り戻しただけでなく、
いままでにない強い意志が、演奏に込められていたこと。


それらが、部員に、私たちに伝わってきました。



※これを映像だけで表現しきるのは、
 京アニにしかできない技術だと感じました。痺れました。
 
 インディーズのライブで感動したあとに
 その映像を見て”どこか足りない” と感じることがあるように、
 映像でのライブ感と、実際のライブ感は別モノです。
 
 そこに映っていたみぞれと希美は、
 高揚、集中、動揺、それらが伝わるようで、
 本当にそこで演奏しているようでした。


大好きのハグ

 
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全体練習終了後、みぞれの演奏に涙ぐむ部員も多いなか、
みぞれが真っ先に気持ちを伝えたかった希美はその場にはいませんでした。


希美がいたのは、
いつもみぞれが練習していた理科室。


”私のために手加減してたんだよね。”
と切り出す希美。

涙ぐんでいました。

”私が足を引っ張っていた”
”先生にも気に入られて”
"私だって進路票白紙で出したんだよ"

と、想いの丈を話しはじめて、止まらない希美。


そこに、
”聞いて。”
と、小さく叫ぶみぞれ。


”希美はいつも勝手。”
と、みぞれも希美に、想いの丈をぶつけます。


大好きのハグのポーズ。
みぞれから希美を抱きしめます。


”何もなかった私に吹奏楽を薦めてくれた。”
”のぞみの声が好き、髪が好き、足音が好き...”




”希美のぜんぶが好き"
”みぞれのオーボエが好き”


それぞれの想いが交わらないままぶつかり合います。




本当は、

”希美のフルートが好き”
”みぞれのぜんぶが好き”

と言って欲しかったのでしょう。



みぞれに楽器の才能がなければ、
希美とみぞれは”ただの友達” であり続けたのかもしれません。

才能があったばかりに、
希美と、歪な関係を築いてしまったように思います。



”私は普通の人間だから”
”みぞれは遠くへ行っちゃうんだね”
と、希美はつぶやきます。


青い鳥として大空へ羽ばたくのは
”みぞれ” だったと、気づかされた瞬間でした。



映像としては、かなり感動的な描写となっているにも関わらず、

”みぞれのオーボエが好き” と言ったとき、その”好き” という言葉には、
毒を一滴垂らしたような、映像には見えない”濁り” が見えました。



全体を通して

 

進路

 
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受験勉強で似た経験のあるひとも多いかと思いますが、
進路が決まっていくにつれ、人間関係が複雑になっていきます。


塾のクラスが変わって、付き合う人間が変わっていったり、
同じ学科を目指すのに、あまり口を聞けない雰囲気だったり、
相談を持ち掛けられても、首を縦に振ることに勇気がいる話であったり、
長年付き合っていた人たちが別れ、センター試験直前に付き合いだしたり。


そういった複雑な人間関係が、音大への進学ということを通して、
映像として、音楽として、伝わってきたように思います。



みぞれにとっての希美

 
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言うまでもなく、みぞれにとって希美は、
”かけがえのない存在” だと思います。

ただ、みぞれにとって、希美は、”みぞれの想う” 理想の希美であって、
”いまここ” にいる希美ではありません。


そして、その理想は過去に形作られています。

”誰とでも仲良くできる”、”みんなを引っ張れる” 吹奏楽部の部長である希美が
”みぞれにとっての” 希美なのであって、

希美自身がそうでなくなったとき、
みぞれは”希美に戻ってほしい。” と声をかけることになるでしょう。
”またひとりにしないでほしい。” と。

そして、そこに希美への配慮はありません。



また、ソロパートで気持ちに整理がついたときの気づきについても、
以下のように書きましたが、

”青い鳥は、リズのことを好きで、
好きな人に言われたのだから、飛ぶことだけが愛。
青い鳥は、飛ぶことしかできない。”

これは、”青い鳥がリズのことを好き” であることが前提で成り立つ論理です。


みぞれは希美を抱きしめることができましたが、
希美はみぞれを、ちゃんと抱きしめることができたでしょうか。


その信頼関係の曖昧さが、脆さが、
手放しで、みぞれが幸せだと言えない理由だと思っています。



でも、みぞれは一度、”リズと青い鳥” を通して、空へ飛ぶことが出来たのです。
もしかすると、希美は、思い出の存在となってしまうのかもしれません。



希美にとってのみぞれ

 
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残酷かもしれないですが、

”希美にとって、みぞれは必要な存在ではない。”

これは言い切れます。


みぞれのことを心配したり気にかけてあげるのは、
”中学からずっと一緒の部活にいた” だからであり、

それが”かけがえのない” ものかと問われると、必ずしもそうだとは言えません。


今回のふたりにとって大事な出来事があったうえでも、
まだ希美は、”失望させてしまうかもしれない” という弱音をみぞれにキチンと伝えられていません。

みぞれは、希美の言葉を聞いていないのです。

みぞれが心の支えではなく、むしろ、”負担” になっているようにも感じます。


それに、あの場面で、
”みぞれのオーボエが好き。” と言い切ったところに
みぞれへの愛があったのか。


みぞれのことを想って、
音大への進学を辞めたことをみぞれに伝えようとしていたか。


大好きのハグについても、
みぞれは勇気を振り絞り、みぞおちを包むように抱きしめていましたが、
希美はスカートの上に沿って、手を添えるように回しただけでした。



関係が深まるごとに、希美にとっては、
根本的な繋がりが曖昧なまま、辛いものになるのではないか、と思ってしまいます。



みぞれと大学で離ればなれになっても、
いつかまた、再会するときが来るでしょう。

希美は、青い鳥が帰ってくるたびに、
”陽気な” リズで居続ける必要があるのです。



親友ということ

 

みぞれと希美は、気持ちが交わっていません。

なのに、一緒にいる。


この不安定な状態が、
親友として、ひとつの形であることを
この作品では示しているように感じました。



中学での出会いというものは、
同じクラスだったから、同じ部活だったから、帰り道が一緒だったからなど、

”偶然” 同じ場所にいたから、という理由が大きいです。



そして、運命的な出会い、離れたくない理由など、
一方がそう思っていれば、もう一方は一緒にいなくてはいけません。
 
それが例え、”偶然” 声をかけただけでも。



この作品では、”親友” という理想的な関係に、
みぞれの妄信、希美の無責任さという毒を忍ばせていました。


結局、みぞれがどうであっても、希美は音大へ行くことを辞めていました。
みぞれの、希美へ向ける眼差しには、昔の面影が重なっています。


そんな歪な関係であっても、親友と言えるのは、
”ずっと一緒にいた” からで、それは”偶然” の積み重ねです。


希美にとって、みぞれと一緒に居たくなるような決定的なシーンはありませんでした。


最後のふたりで一緒に帰るシーンについても、

みぞれは”パフェ” と言いながらも、
希美は”やっぱり渋めにお団子かな” と、

みぞれの意見は聞かなかったことにする強引さがありました。


そういう強引さが通用する仲だという描写とも取れますが、

その返答には微妙な間があって、
仲は深まったようで、実は不安定な関係なままであることには
変わらないような印象を受けました。



何かのはずみで壊れそうな友情であっても、
”ずっと一緒にいる” ことが、親友と呼ぶに相応しい条件を満たすのです。



私からみても、
みぞれと希美の相性は悪いと思います。

それでも、一緒に居るのです。



上履きの色

 
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これは考察なのですが、

映画でもらえるポストカードや劇中の描写を観ていると、
上履きの色が赤いものと青いものがありました。



そして、劇中の大好きのハグのシーンで、

もともと赤かった希美の上履きが、
ハグのあとに青くなっているのを確認しました。

みぞれの上履きは、そのシーンのはじめから青かったです。



この作品において、青とは、間違いなく”青い鳥” を意味するものでしょう。
そして、赤は、その対立する”リズ” を表すもの。

もっというと、青は”空” で赤は”家” だと思っていて、


そう考えれば、あのシーンにより、
希美も、高校から次の世界への羽ばたく準備ができたのでは、とも思えてきて。。



私にはあのシーンが、希美には重いものだと思っていましたが、
希美にとっての何かつっかえが取れた瞬間でもあるのかな、”みぞれのオーボエが好き” という言葉を伝えられたことは、お互いの関係を明確にする一歩だったのかな、などと、
再考すべきなのかな、と考えています。



※後々になって思ってみると、
 上履きの色は学年で決まっているようで、
 
 もしかすると、大好きのハグのシーンでは、
 夕焼けにあてられた上履きと、そうでない上履きの
 相対的な色味を表現していて、
 
 ”みぞれより前を向いてない希美(=赤い上履き)” から、
 ”みぞれと同じラインに立った希美(=青い上履き)” を
 表現していたのでは? と思っています。
 
※間違ってるかもしれないので、
 2回目観るときに確認してみます。



ハッピーエンド

 

物語の序盤に、
希美が、”私はハッピーエンドのほうが好き” といった発言をします。

それがこの作品に潜む皮肉であるように感じました。



希美にとって、
”青春が終わり、”普通の” 大学生として新しいスタートを切るための準備をはじめる”
という結末は、

前向きではありますが、
ハッピーエンドではない、トゥルーエンドだったと言えるでしょう。



みぞれにとっては、
この物語はハッピーエンドで終わったように見えましたが、
それは、かなり不安定なものです。

青い鳥だって、たまたま雨を凌ぐ宿を借りただけかもしれない、
リズのことを好きではないのかもしれない、

そんな疑念が生まれたら、希美に自分のことを好きかどうかを
再び問い直したくなるかもしれません。




大好きのハグやエンディングのシーンが
ハッピーエンド寄りの演出となっていたのは、
”みぞれの視点” で、物語が描かれているからであるからでしょう。


希美の真意に気づいていない、それを演出した映画であり、
みぞれの視点でみた、美しき「リズと青い鳥」なのでしょう。




感想が分かれるのは、ふたりの心情の違いもあるかな、と思っています。















希美はどういう気持ちで、
大学生活をスタートするのでしょうか。


もっと続編があるなら、
希美にハッピーエンドを用意してほしいです。







繊細な描写に潜む青春の脆さ、
それを映像で表現した、美しい作品でした。





※1回観ただけなので、セリフの間違いなどあると思います。。
 2回目観たあとに、直せる箇所は直そうと思っています。
 もしわかる方いらっしゃれば、ご指摘いただけると助かります m(_ _)m



画像元
『リズと青い鳥』公式サイト